こんにちは。
先週末はガッツリ、仕事でした…
自分の誕生日、墨田川の花火、フジロック…と楽しそうなイベントが盛りだくさんでしたが、しっかりと仕事をさせて頂きました。
電車での移動が多かったので、普段読めない本をこの期間に読んでしまう事にしました。
それが、これ!
西川恵著 ワインと外交です。
過去の首脳の会食、晩餐会など「饗宴外交」を各国の首脳の具体的なもてなしを通じて、詳しく丁寧に解説をしています。
饗宴での食事とワインには、さまざまな政治的シグナルやメッセージが、時に明示的に、ときに黙示的に込められています。
新聞やニュースで伝えられた、あの外交も饗宴という角度からみると、実はこんな事があったのか!と非常に興味深い内容になっています。
目次
第一章 ブッシュ大統領が食べた「フレンチフライ」
第二章 飲まれなかったシャトー・マルゴー
第三章 オランダ女王のガッツポーズ
第四章 美食が支える欧州連合
第五章 「今日の夕食は軽めにします!」
第六章 最も相手が難しいい国、中国
第七章 ナマコのスープ、ツバメの巣のスープ
第八章 ホワイトハウスの饗宴
第九章 復活を告げるロシア
目次だけみても、非常に興味深い内容だとわかります。
それぞれの会食での料理のメニューとワインをみると、フランスに関係のない会食でも、非常に多くのフランスワインがサーブされている事に気がつきます。
外交という場面では、フランスワインの持つ意味が非常に大きい事と言えるのでしょう。
例えば、第二章の2005年11月に行われた、モロッコ国王来日の歓迎式典では…
・シャブリ レ・ブランショ1993
・シャトー マルゴー 1988
・シャンパン ドン・ペリニオン 1995
が準備されました。
日本、モロッコには共に直接関係のないワインです。
フランス・ブルゴーニュ特級畑の白、ボルドー・メドック格付け第1級、シャンパンの最高峰と、どれも最高級のフランスワインです。
ここには、日本側がモロッコの為に、世界の中で最高級のワインを準備した!とう意味になります。
しかも、モロッコ側は宗教上お酒を飲まないので、日本側だけがこの高級ワインと飲んだという事です!!
飲まれなくても最高級のワインを準備する事には、日本側がどれだけモロッコを大切にしているかが、ここでも良くわかります。
もう一つ、印象的な1本が、
2005年10月の、フランスのシラク大統領がシュレーダー独首相をエリゼ宮に迎えて饗宴を持った時のワインです。
互いを「ジャック」「ゲアハルト」とファーストネームで呼び合いながら、「海の幸の盛り合わせ」を食べる時に合わせたワインは、
コルトン・シャルルマーニュ1994
フランス・ブルゴーニュ地方のコルトン・シャルルマーニュは、西暦8,9世紀に西方世界を統一し、西ローマ帝国にもなったシャルルマーニュ大帝(カール大帝)が畑を所有していた事に由来します。大帝はいまのフランスとドイツにまたがる広大な地域を支配し、その死後、所領は分割され、今日のフランスとドイツになります。つまり仏独の共通ルーツを象徴するワインを、シラク大統領はシュレーダー首相を歓迎する晩餐に出したのです。
ワイン自体の価値はもちろん、ワインの持つ意味も、その晩餐には欠かせない1本だったと言えます。
こんな美しい話だけではなく、
各国の思惑が交錯するような、さまざまなストーリが満載です。
ぜひ、ご一読ください!
それでは、また!!
☆最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございます☆
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